ねじボルトビスナットなど物を留める部品には様々な種類や呼び方があります。
DIYをされる方や工具の知識がある方は、ねじやボルトをなんとなく知っている方も多いと思います。
しかし種類が多すぎるため、それぞれの違いについて理解している方は意外と少ないかと思います。
実はねじやボルトには細かい違いや規格があり、使える場面や特徴がそれぞれに異なります。

ねじと言うのは、らせん状の溝があるものの総称としてつかわれる言葉です。
ビスをはじめ固定するために使う工具の多くはこのねじの仲間になります。
ねじは、漢字で螺子、捻子、捩子、螺旋などと表現され、らせんやねじると言う意味が含まれています。
外側に溝があるものを「雄ネジ」内側に溝があるものを「雌ネジ」と呼びます。
一般的にドライバーで締めるタイプのねじはそのまま「ねじ」と呼ばれています。
大体9㎜以上の大きさになってくるとねじに分類されます。

1㎜~8㎜の比較的小さい径の雄ねじのことをビスと言い、小ねじとも呼ばれます。
ビスは多くの場合、雌ねじがなくても物を固定できます。
ほとんどのビスの頭にはプラスかマイナスの穴があるのが特徴です。

ボルトは一般的に8mmより大きめの雄ねじです。
雌ねじとセットで使われることが多いです。頭が六角もしくは四角形のものを指します。
ボルトは単体で使うことが少なく、ナットとセットで使われることが多いです。

ナットと呼ばれるものが雌ネジで、雄ねじの受けとして使われています。
六角ナットや袋ナット、フランジナット、ロックナットなど、様々な種類があります。 また、ナットには1種、2種、3種ナットと呼ばれるものもあります。


  • はじめにドライバーねじのサイズが合っていることを確認しよう。
  • サイズが合っていないと、ドライバーとねじの間がぐらついてしまい正しく締め込めないので注意しよう。
  • ドライバーは、ねじを押しながら回しましょう。軸がぶれないように、軸にも手を添えるのがポイント。
  • ドライバーは締め付けるものに対してまっすぐ、垂直になるように持ちましょう。
  • 回し始めは軽く回るのであまり意識をしなくても良いですが、最後にしっかり締めるときは押す力を意識しよう。
  • 固く締まったねじを緩めるときは、特に押す力を強めないとねじを傷めてしまうので注意が必要です。

基本は「押す力:回す力=7:3」ですが、ねじが軽く回る場合は押す力を弱めても大丈夫です。
逆に、固く締まったねじを緩める場合は押す力をさらに大きくする必要があります。
「押す力:回す力=99:1」くらい極端なイメージ。

  • 片手に材料、片手にドライバーを持って作業する不安定な状態で作業しないこと。
  • ハンマー等で叩いて衝撃を加えたり、ハンマー代わりに使用したりしないこと。
  • 先端が磨耗、欠け、ヒビ割れしたドライバーは使用しないこと。怪我や事故の原因になります。
  • 電気が流れているものには絶対に使用しないこと。ドライバーの軸は金属なので電気が流れます。
  • はじめにスパナボルト・ナットサイズが合っていることを確認しよう。
  • サイズが合っていないと、スパナとボルト・ナットの間がぐらついて正しく締め込めないので注意しよう。
  • サイズを合わせたら、手でボルト・ナットを動かなくなるまで締めていき、固定します。
  • 次に固定したボルト・ナットにスパナを差し込み、回します。
  • その時、スパナが滑って外れてしまわないよう片手をスパナの先端に添え、スパナを奥までしっかり差し込むことが大切です。
口径部

ボルトやナットなど、ねじをはめる部位の名称です。
「口径」と言われることもあります。
「口径部の二面幅が10mm」などよく使われる名称です。覚えておこう!

二面幅

平行な二面の幅を二面幅とよびます。
ボルトのサイズにあったスパナを選ぶときに注意するポイントがこの二面幅です。
ボルトやナットの対辺が「10mm」であれば、スパナも同じ「10mm」を選びましょう。

  • パイプ等を継ぎ足して使用しないこと。無理な力が加わり、破損の原因に繋がります。
  • ハンマー等でたたいて衝撃を加えたり、ハンマー代わりには使用しないこと。
  • 力を入れ過ぎると、スパナが外れることがあるので滑らさないように注意すること。怪我や事故の原因になります。
  • はじめにメガネレンチボルト・ナットサイズが合っていることを確認しよう。
  • サイズが合っていないと、メガネレンチとボルト・ナットの間がぐらついて正しく締め込めないので注意しよう。
  • サイズを合わせたら、手でボルト・ナットを動かなくなるまで締めていき、固定します。
  • 次に固定したボルト・ナットにメガネレンチを差し込み、回します。その時、スパナが滑って外れてしまわないよう片手をスパナの先端に添え、スパナを奥までしっかり差し込むことが大切です。

スパナボルト・ナット2点でとらえるのに対して、メガネレンチ6点でとらえるのが特長。
そのため、スパナよりしっかり締めることができます。
頭部がリング状になっているため、ボルト・ナットから外れにくく、均等に荷重をかけることができ、安定した作業が可能なのでおすすめ。

  • はじめにモンキレンチの口径部を調整しましょう。
  • まず柄の根元近くを握って親指でウォームを回し、ボルト・ナットが口径部に入るまで下あごを広げます。
  • 次にウォームが回らなくなるまで下あごを寄せ、ぐらつきがないことを確認してから、奥までしっかり差し込んでボルト ・ナットを回しましょう。このとき注意する点は、回す方向です。上あご側に回すと、下あごがレンチから離れる方向に力が働き、下あごを傷めますので、必ず下あご側に回してください。

モンキレンチの名前の由来は?

現在のモンキレンチの原形となる工具を発明したCharles Moncky氏の名前に由来するという説や、工具の頭部の形状が猿のような形をしているからという説があります。諸説あり。

  • 口径部がしっかり締まってなかったり、斜めになっているとボルト・ナットを傷付けてしまうので注意しよう。
  • 必ず下あご側へまわすこと。逆方向に回すと下あごに無理な力がかかって壊れる原因になります。
  • ハンマー等でたたいて衝撃を加えたり、ハンマー代わりに使用しないこと。
  • はじめに六角棒レンチねじのサイズが合っていることを確認しましょう。
  • サイズが合っていないと、六角棒レンチと六角穴の間がぐらついて正しく締め込めないので注意しよう。
  • サイズを合わせたら、長い方の先端をねじに差し込み、回します。その時、軸がぶれないように片手を添えることが大切です。
  • 最後に短い方の先端に差し替え、しっかりと締め込むことを忘れないようにしよう。
  • 締まっているねじを緩める時は、締める時と反対の手順で作業するだけです。

六角棒レンチは様々な種類があります。
右の写真は持ち手がT字になった六角レンチです。
グリップが握りやすく、回す力がかけやすいことが特徴です。
固く締められたボルトの取り外しや、奥まった箇所での作業など、作業性が求められる機械整備に向いています。
他にもドライバー型やソケット型などがあります。

  • パイプ等を継ぎ足して使用しないこと。無理な力が加わり、破損の原因に繋がります。
  • 回転方向に力を加えて下さい。軸を倒す方向に力を加えると先端部が破損する恐れがあります。
  • 六角部にねじれや亀裂のあるレンチは使用しないで下さい。
  • はじめにラチェットレンチボルト・ナットのサイズが合っていることを確認しましょう。
  • サイズが合っていないと、ラチェットレンチとボルト・ナットの間がぐらついてしまいますので、サイズの合ったものを選びましょう。
  • サイズを合わせたら、手でボルト・ナットを締めていき、手で締められるところまでしっかり締めてください。
  • ここでしっかり締めておかないと、ラチェット機構が働かず、ボルト・ナットが回りません。
  • 手でボルト・ナットがしっかり締まったことを確認し、回転方向を確認してラチェットレンチを差し込みます。
  • 片手をラチェットレンチに添え、ボルト・ナットから外すことなく、回しつづけます。
  • 最後にしっかりと締め込むことを忘れないようにしましょう。

ラチェット機構とは?

動く方向を一方に制限する機構のことです。
身近なものだと、自転車に使用されています。
ペダルを前に漕ぐとギアがかみ合って進み、後ろに漕ぐと空回りしますが、これはラチェット機構の働きによるものです。
ラチェットメガネレンチの「回転方向」の切り替え方は製品によって違います。
レバーがついているものは、レバーを切り替えることで回転方向を変更することができます。
矢印が書いてあるものは、その向きに回すことでボルト・ナットを回すことができます。

  • ラチェットレンチのサイズが大き過ぎてギャップがあると、六角部がつぶれ、滑ったり外れやすく危険です。
  • ハンマー等でたたいて衝撃を加えたり、ハンマー代わりに使用しないこと。
  • パイプ等を継ぎ足して使用しないこと。無理な力が加わり、破損の原因に繋がります。
  • プライヤは、柄を90度近く開き、ジョイント部をずらすことで口の開きを調節し、つかむ相手の大小に応じて使い分けます。
  • あごの先端では板状のものを、中央部では、パイプやアールのついたものをつかみます。あごの奥にはワイヤーカッターがついています。
  • プライヤは、いろいろな用途に使える便利な工具ですが、確実な作業をするには作業内容に応じた専用の工具を使用することが大切です。
  • ボルトやナットを回すときはスパナやメガネレンチ等を使い、硬線を切断する時はニッパやワイヤーカッターを使用するなど、それぞれの作業に適した工具を使おう。

てこの原理を利用して、小さな力でものをつかんだり、切断したりできるプライヤの歴史は古く、その原型となる道具ははるか紀元前より存在していたとされます。
この「てこの原理」は紀元前3世紀に古代ギリシャの学者アルキメデスにより発見されました。
ちなみに日本では「ペンチ」、「ニッパ」、「プライヤ」と表現が違いますが、海外ではこれらすべてをまとめてプライヤと呼んでいます。

  • 確実な作業をするには作業内容に応じた専用の工具を使用すること。
  • ハンマー等でたたいて衝撃を加えたり、ハンマー代わりに使用しないこと。

ペンチとプライヤの違いは?
ペンチとプライヤはどちらも似たような用途に使われる工具ですが、いくつか違いがあります。
ペンチは、プライヤよりも開口幅が狭く、主に細いワイヤーを掴んだり、切断したりする用途に使用されます。
プライヤは、開く幅をものに合わせて調整できるため、太いパイプなども掴めます。上手に使い分けよう。

  • 口径部を広げて掴みたい対象を挟みます。切断するときは中央部のカッターに挟み、切断しましょう。
  • 口径部を広げるときは、人差し指や小指を内側にかけると使いやすいと思います。
  • 硬いものを切るときは根本(支点)に近いほうが、軽い力で切れます
  • 固いものを切ると切断片が飛散することがあるので、保護めがねの着用をおすすめします。

ニッパの刃は主に「両刃」と「片刃」に分けることができます。
片刃だと切断面がきれいになるのでプラモデルや結束バンドの切断におすすめ。
両刃のものは切断能力が高いため、針金などの切断におすすめ。

  • ペンチ、ラジオペンチ、ニッパはこじるなど、バールのような使い方をすると刃が欠ける可能性があり大変危険です。